総務・経理で給与計算や人事関係の手続きに携わっていると、社会保険や源泉徴収などの手続きは手間がかかる上に法の改正などによ手続きや取扱いが毎年少しづつ変化するので常に最新の情報を取り入れなければならず以外と大変なんです。
今回は毎年ご自分の会社で年末調整の手続きしていても意外と知らない個人住民税(市県民税)をピックアップしていきます。
もくじ
市県民税の特別徴収について
年末調整の時期になると、各自治体から「給与支払報告書」と一緒に特別徴収の周知文書が送られてきます。
地方税法では、所得税を源泉徴収している事業主については、従業員の個人住民税を特別徴収しなければならないことになっています。
- 参考:個人住民税と特別徴収について | 個人住民税の特別徴収推進ステーション | 個人住民税 | 東京都主税局 (tokyo.lg.jp)
- 参考:給与所得者の特別徴収 | 地方税 (zeiken.co.jp)
現在では 従業員によってこの内容を知らない人がいるため、年末調整をせず自身で確定申告すれば市県社会保険の手続きも年末調整の手続きにもマイナンバーの入力が義務付けられているため、ここから色々な情報が紐づけされています。手続きがどんどん簡素化されている分、抜けがなくなりつつあるので虚偽報告はもってのほかですが、誤入力などもいずれは発覚するのではないでしょうか?
健康保険の被扶養者について
健康保険や厚生年金の手続きでも意外と知らない人が多いのが、子供さんなどの被扶養者の手続きです。
通常子供さんが複数人いる場合、子供さんは全員ご主人の健康保険の扶養者に加入しているケースが多いと思います。ですが、必ずしもご主人だけの扶養に入る必要はありません。夫婦ともに会社員で別々の健康保険に加入している場合は、奥さんの健康保険に加入する事も出来ます。
意外と知らない人が多いのが、所得税法上と健康保険法上の被扶養者の取扱いの要件は一致していません。
参考:税法上の「扶養親族」と健康保険の「被扶養者」の違い(freeヘルプセンター)
最近一人暮らしの両親をお持ちの方も少なくないはずです。同居していなくても毎月一定額の仕送り等がある場合は、ご自分の被扶養者に加入することが出来ます。
収入などの制限はもちろんありますが、別々の健康保険に加入して、払わなくてもいい保険料を毎月・毎年払っているかも知れません。
もし該当する場合や手続きについて知りたい時は、ご自身の会社の人事・総務の担当者か社会保険事務所に相談されてみてもいいかも知れません。
しかし被扶養者の収入や加入状況について毎年会社に日本年金機構から、「被扶養者状況リスト」という被扶養者に該当しない人がいないかどうかの状況確認文書が届きます。
リストと一緒に仕送りなどの証明書類を添付して送る必要があるので、以前のように被扶養者に該当しない人をいつまでも残しておくことは出来なくなっています。
特に一人暮らしの学生さんで、アルバイトで生計の一部をたてている場合は、年間収入の金額を把握しておいた方が良いかも知れません。
現在はアルバイトでも勤務先へのマイナンバー提出が義務付けられています。
参考:バイト先にマイナンバーの提出は必要?理由や提出時の注意点を解説(マッハバイトプレス)
まとめ
今回は、市県民税の特別徴収と健康保険の被扶養者についてご紹介しましたが、給与に関する手続きはまだまだ知らない事が沢山あります。手続きに携わっている総務・経理でも分からない事や誤った解釈をしている場合があります。
働き方改革などで私たちの働く環境や法令は毎年変化していきます。100%の情報を吸収する必要はありませんが、頭の片隅において頂ければ幸いです。
いずれにしてもお金が関わる部分に関してはきちんと手続きをしていれば大きく損することもないですし、指摘されることもありません。一番大変なのは無知であったために、遡って請求されたり、修正申告しなければならない事です。内容によっては「知らなかった」では済まされないケースもあるかも知れませんので、手続きする側の人間として日々情報収集に努めていきたいと思います。