家づくりにおいて大切な照明選び。
照明はお部屋を明るくするだけでなく、インテリアとしても活躍し快適でおしゃれな住まいづくりをする上で重要な役割を担っています。
照明といってもたくさん種類があり、どの部屋にどんなものを選ぶのか悩む方も多いのではないでしょうか。
また照明は実際に住んでみて使いにくい、イメージと違った、といった後悔も多く、一度設置した照明はやり直すのに手間もコストもかかります。
今回は照明の種類と選び方についてご紹介します。
1.照明の種類とメリット・デメリット
シーリングライト
画像:https://www.odelic.co.jp/products/
天井に取り付けるタイプの照明です。
天井から広範囲にまんべんなく照らすため、メインの明かりとして使われます。
部屋の明るさをひとつの照明でまかないたい時におすすめです。
シンプルなものから、最近はおしゃれなデザインのものも多くみられます。
メリット
- 「引掛けシーリング」に設置するタイプであれば配線工事無しで簡単に脱着することができる
- 6畳、8畳、10畳用など部屋の畳数に対応してバリエーション展開されており照明選びしやすい
- 基本的には部屋の中心となる位置に設置するため配置計画がシンプル
- 明かりのON/OFFはもちろん、調光、調色、常夜灯、タイマーといった機能をリモコンで簡単に操作できる
デメリット
- 天井とシーリングライトの間からほこりや虫が入る事があるため、定期的にカバー内部のお手入れが必要
(最近は虫など入りにくい構造のものも増えています) - 部屋の間取りや広さによっては部分的に暗がりができる。
照明から離れた隅の部分などは光が届きにくいため、明るさを補う照明が必要な場合もある
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リビング、寝室、子ども部屋、和室
ペンダントライト
画像:https://sumai.panasonic.jp/lighting/
天井から吊り下げるタイプの照明です。
天井よりも低い位置から照らすため、シーリングライトよりも照らす範囲は狭まります。
主にランプの真下、または周りをやわらかく照らす照明のためポイントで照らしたい場所に使用したり空間をおしゃれに演出してくれる明かりです。
デザインのバリエーションが豊富でさまざまなインテリアに合わせて選ぶことができます。
ランプのまわりを囲うシェードに使われる素材はガラス、木、和紙、布、金属などさまざまです。
メリット
- 意匠性が高く取り入れるだけで空間が一気におしゃれになる
- 引掛けシーリング設置タイプのものであれば配線工事無しで自由に脱着できる
- 机上面をしっかりと照らせるペンダントでオレンジ系の色味のランプを使えば、料理を美味しくみせることができる
デメリット
- シェードにホコリが溜まりやすい
- 吊り下げ式のため存在感がある分、サイズや灯数によっては部屋に圧迫感が出る
- 天井が低い場所、立ち作業する場所には不向き
- 配置計画の時に用途や配置をしっかり考慮していないと暗すぎるor眩しすぎる、動線・視線の邪魔になる、といった失敗もある
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リビング、ダイニング、キッチンの手元、和室、吹き抜け、階段、その他動線と重ならないインテリアのアクセントになる場所など
ブラケットライト
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壁に直接取り付けるタイプの照明です。
直接空間を照らすものもあれば、壁を照らすことで空間をやわらかく照らす間接照明のようなものもあります。
他の照明と組み合わせて使う補助的な明かりです。
ブラケットライトもデザインのバリエーションが豊富で、インテリアのアクセントとして活躍します。
メリット
- 照明そのもののデザインが壁のアクセントとして映える。またポスターなどのディスプレイを照らして引き立たせることができる
- 設置高さが天井よりも低くなるため掃除がしやすい
- 天井の高さ・形状にとらわれず設置できるため様々な場所で取り入れられる
デメリット
- 壁に穴を開け配線工事をして設置するため気軽に脱着できない
- 配置や高さを後で変えることが難しいため、あらかじめ用途や明るさをしっかりと考慮する必要がある。ブラケットライトを設置する場所に背の高い家具等は置けないため干渉するものがないか注意する。また、設置する高さによっては眩しく感じる場合がある。
階段に設置した際、ブラケットライトの高さが低すぎた・思ったよりも出幅が大きかったというので不便を感じるケースもある
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リビング、寝室、玄関、階段、廊下、トイレ、洗面所(ミラー上など)、作業カウンターの上、インテリアのアクセントとなる壁、その他天井の低い場所など
ダウンライト
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天井に埋め込むタイプの照明です。
サイズは小さく、局所的に照らす明かりなので空間の広さに合わせて複数を組み合わせて配置します。
天井に出っ張りがなく見た目をすっきりと見せることができるため、最近はメインの明かりとして使われることも多いです。
メリット
- 埋め込みのためスペースを取らず、お部屋を広く見せることができる
- ホコリが溜まりにくい
- 一点を集中的に照らす集光タイプや照らしたいものに向けて光の方向を変えられるユニバーサルタイプ、
吹き抜け用タイプなど、幅広いシーンに合わせて選べる
デメリット
- 天井に埋め込むため設置コストは高い。さらにある程度の広さの明るさをまかなうには複数設置する必要がなるため、
全体でかかるコストが他の照明より高くなることもある - 光源が直接見えやすいので眩しく感じる
- 照明器具の交換には配線工事が必要(ランプのみ交換可能なものもあります)
- メインの明かりとして使う場合暗がりができないように適切な灯数をバランスよく配置しなくてはならないため配置計画が難しい
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リビング、ダイニング、キッチン、トイレ、洗面所、廊下、玄関、WIC、ニッチ、その他狭い場所、天井が低い場所など
スポットライト
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天井に直接取り付けたり、ダクトレールに取り付けるタイプの照明です。
一番の特徴は明かりの角度を照らしたい部分に向けて自由に変えることができます。
壁面に向けて照らせば間接照明としても活用できます。
また、ダクトレールに設置することでレール内の好きな場所に移動できるため、用途に合わせてフレキシブルに使える明かりです。
メリット
- 他の照明より自由度が高い。明かりの方向を変えたり、ダクトレールに設置すれば照明の移動や
増設も可能(許容ワット数の範囲内)なのでお部屋の模様替えにも対応できる - 明かりが当たる場所とそうでない場所で陰影がはっきりと出るのでおしゃれな雰囲気を演出できる
- コンパクトなので家具や動線の邪魔になることなく他のインテリアを際立たせてくれる
デメリット
- メインの明かりとして使用する際は全体を均一に明るくすることは難しいため暗く感じる場合がある
- 高い位置に設置するため掃除がしにくい
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リビング、ダイニング、キッチン手元、洗面所(ミラー上等)、吹き抜け、玄関、作業カウンター、
その他インテリアのアクセントとなる場所など
2.照明の選び方
①まずは間取り・家具のレイアウトをしっかりと決める
将来的に部屋の使い方を変える予定があるかどうかも考えておきましょう
②各部屋でどのように過ごすか、どこに明かりが欲しいか検討する
家族のライフスタイルを想像しながら検討しましょう
③部屋全体をどんなインテリアテイストにしたいかイメージする
モダン、ナチュラル、ヴィンテージなどインテリアテイストをイメージして選ぶと
全体の雰囲気にまとまりが出ます
④用途、インテリアに合った照明を選ぶ
下記のポイントをチェックしましょう
照明選びのポイント
・部屋に対して明るさがしっかりととれるか
・照明のサイズ感は大きすぎor小さすぎでないか
・床、壁紙などの内装とインテリアテイストが合うか
・光の広がりをイメージできているか
照明のデザインによっては光が真下にしか届かないもの、照明のまわりがやんわり照らされるものがあります。
またシェードのデザインによっては陰に模様ができるものがありそれだけでも空間のイメージが変わるのでチェックしましょう
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・明かりの色味をどうするか
明かりの色味は主に3種類あり、オレンジがかった色味の電球色・自然光に近く白っぽい昼白色・2つの中間となる温白色があります。
色味によってお部屋の「印象」ががらっと変わります。リラックス・おしゃれな雰囲気にするなら電球色、
自然な色味で落ち着く雰囲気にしたいなら温白色、さわやかな雰囲気にしたい・勉強や細かい作業等をするのに集中力を高めたいなら昼白色がおすすめです。
電球色
温白色
昼白色
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・調光機能が必要か
・リモコン操作が必要か
・人感センサーが必要か(センサーに対応していない照明はセンサー付きスイッチを検討)
・照明の交換方法、メンテナンス方法
⑤照明の配置を細かく決める。
下記のポイントをチェックしましょう
照明配置のポイント
・動線の邪魔にならないか
・置く予定の家具に干渉しないか
・光源が直接見えて眩しく感じる配置になっていないか
・人感センサー付きの照明は感知範囲の確認と連動させる照明の配置の確認
・メンテナンスがしにくい高さになっていないか
・部屋に暗がりができそうな配置になっていないか
・エアコンなど照らされると見栄えが良くないものの近くに照明が配置されていないか
・ペンダントライトを並べて設置する場合は間隔が近すぎor離れすぎていないか
3.照明の押さえておきたいポイント
LED電球について
昔は蛍光灯や白熱灯がメインでしたが、現在は照明のほとんどにLED電球が使われており、照明の主流となっています。
LEDの一番のメリットは、寿命が長いことです。他の電球よりも消費電力が少なく、寿命は約10年と言われています。
しかし電球の寿命よりも早く照明が切れてしまうことがあります。その原因に多いのは、LEDの基盤部分の故障です。
基盤部分は熱に弱く、うまく熱を逃がせない照明器具だと故障につながります。
また、LEDは湿気に弱いためその影響で寿命よりも早く切れることがあるのです。
LED照明を長持ちさせるには、照明器具のスペックにあったLED電球を選ぶことが大切です。
例えば調光機能付きの照明器具には調光器対応のLED電球があるので機能に合ったものを選びましょう。
また適度に正しい方法で掃除することも長持ちにつながります。
ランプ交換型と一体型について
照明器具には大きく分けて2種類あります。ひとつはランプ交換型です。
ペンダントライト、シャンデリア、ブラケットライト、スポットライトに多いです。
照明メーカーのカタログには「LED電球交換可能」などの表記があります。
もうひとつは一体型といってLED電球が照明器具に組み込まれて作られているのでLEDを取り替えたい場合は
器具ごと交換が必要なタイプです。照明メーカーのカタログには「LED一体型」「LED交換不可」などの表記があります。
例えば新築やリフォームで新たに照明を取り付けても、実際に住んでみて明るさや色味のイメージが違った、ライフスタイルの
変化によって照明が合わなくなった、故障でLEDが切れてしまった、といった状況になる場合もあります。
そんな時には電球だけ交換ができるランプ交換型だと安心です。一体型の場合は、交換するのに電気配線工事が必要なため手間がかかります。
ですが、ランプ交換型の照明は一体型よりも価格が高いため、家全体の照明をランプ交換型にすると初期費用が高くなるので注意が必要です。
引掛けシーリングについて
前記にもありますが、シーリングライトやペンダントライトには引掛けシーリングに取り付けできるものがあります。
引掛けシーリングとは、照明器具を天井に取り付けるための器具のことで照明の重量を支えたり電気を供給する役割があります。
これがあることで、電気工事なしでも簡単に照明交換ができるようになります。
将来的に模様替えなどで照明を付け替える可能性があるかもしれない、という方は引掛けシーリング対応の照明器具を選んでおくとよいですね。
丸型引掛けシーリング
角型引掛けシーリング
画像:https://www2.panasonic.biz/scvb/a2A/top.G01
照明はさまざまな種類がありますが、照明の特徴と選び方のポイントを押さえればイメージした空間をつくることができます。
ぜひ、新築やリフォームの照明選びの際には参考にしてみてください。