リフォームの検討をし始めて、リフォーム会社との初回相談で希望内容のヒアリングを行ったら、次は現地調査に入ります。
現地調査とは、現在住まわれている家やご実家、離れ、または中古物件などの建物にリフォーム会社が出向き、リフォームの計画に関わる建物の寸法や状態などを細かく調査することで、リフォームを進める上で非常に重要なステップになります。
今回は現地調査の目的や内容について解説していきます。
現地調査の目的
リフォームやリノベーションで現地調査をする目的は大きくわけて5つあります。
①現状把握: 建物の現状を正確に把握するため。
②問題の把握: リフォームに必要な改修や修理が必要な問題を把握するため。
③プラン作成: お客様の要望に加え、建物の状態や構造も考慮したリフォームのプランを立てるため。
④予算の見積: リフォームにかかる予算を正確に見積もるため。
⑤効率的なリフォーム計画: リフォームの打ち合わせや工事を効率的に進めるためのスケジュールを立てるため。
このように、建物の状態を把握するだけでなく適切な見積りや工事の計画を立てるためも必要不可欠な工程となります。
現地調査の内容
まず、リフォームの内容や目的によって現地調査の内容は変わります。
内装工事のみの場合、キッチンなどの設備の入れ替え、間取り変更を伴うリフォーム、断熱や耐震工事を含む性能向上リノベーション、建て替え…など、工事内容によって現地調査でチェックする箇所は多岐にわたります。
一般的な間取り変更などを伴う大型リフォーム、フルリノベーションの場合だと2時間くらいはかかることが多く、面積や内容によってはそれ以上かかることもあります。
現地調査では、お客様の方で準備しておくことは特にありませんが、調査に立ち会っていただいた際に気になる部分があれば教えていただいたり現場を見た状態でこちらからヒアリングをさせていただくこともあります。
間取りや寸法の確認
リフォームを検討している建物の建築時の図面が無い場合は、その場で一つ一つの寸法を測り記録していきます。既存の寸法が間違えていたり間取りの把握漏れなどがあると、正確な補強計画ができなかったり新たな間取り、設備や家具の配置の実現が難しくなるケースもあります。
建築時の図面がある場合も、実際の寸法と整合性が取れているか確認します。
建築時の図面でも、実際の寸法と違うところがあったり建築後に増築や改築がされていて間取りが変わっている場合もあるので、確認は重要です。
写真撮影
建物の内部や外部の状態が分かるように、リフォームに関わる場所の写真を撮らせていただいて、プラン作成や工事の際に役立てます。
内・外装の仕上げ、下地の確認
築年数の古い物件では、内壁に一般的によく使われるビニルクロスの他に、土壁、漆喰、プリント合板などの素材が使われていることがよくあります。
外壁はサイディングの他にタイル、漆喰、下見板、トタン板などが使われていることも。
リフォームの内容によっては、仕上げを部分的に補修をしたり、上から塗装することもあり、仕上げの種類、工事内容によって見積りも変わってくるため、どのような仕上げ材なのか把握しておかなければなりません。
また、既存の壁や床を残す古い部分と新しくする部分が一つの空間に混在するケースもあるため、新しくする部分が既存の仕上げに調和するように素材や色味、デザインを選定する意味でも確認が必要になります。
下地の素材や状態も工事や仕上がりに影響することがあるので分かる範囲で確認します。
設備関係の確認
キッチン、ユニットバスなどの水廻り設備の入れ替えには、設備サイズや配置、給排水管の位置、換気扇等の関わる箇所を確認します。
電気設備に関しても、間取り変更や設備工事で分電盤や屋外電気メーターの位置、電気容量も関わるためチェックしておきます。その他に電気工事に関わること(既存利用するコンセントやスイッチかあるか、エアコンの移設があるか、など)も聞き取りながら確認していきます。
既存利用品、既存を残す箇所があるかの確認
リフォームでは、コスト削減として現在の家の内壁、天井、床、建具、設備関係、外壁、屋根など既存を残して再利用する場合があります。
また、長く住んできた家のしつらえをあえて残し、思い出を受け継いでいくという意味で既存利用することもあります。
既存で残す部分は劣化状態などを見て補修が必要か判断したり、必要なものはサイズを測っておきます。
この時に、テーブルやタンスなどの家具、ピアノ、神棚などそのまま使うものが決まっていれば、こちらもサイズを測っておくとプランに反映させることができます。
建物の状態の調査
建物の状態の確認は、目視で劣化状況を見たりレーザーや水平器などで建物の傾きを確認していきます。
表面上では確認できない床下や小屋裏は点検口や畳下、押し入れ上部などから入り、内部を確認します。
表面上で確認できる劣化の例には
・設備が老朽化している、故障している
・雨漏りにより天井付近の壁が変色している
・湿気や結露などにより壁にカビが生えている
・床の一部が歩くときしむ・傾いている
・扉や窓の建付けが悪い
・外壁にひび割れ、チョーキング現象(手で触ると粉っぽいものが付着する)、カビ・コケ・サビがみられる
・屋根にカビやコケが発生している、瓦がズレたり割れている
などがあります。
家が傾く原因はさまざまで、建物の問題(構造物の経年劣化、シロアリ被害・カビ・雨漏れなどによる構造物の強度の低下)や地盤沈下、地震、新築時の施工不良などによるものもあります。
表面上では確認できない床下や小屋裏内では、基礎のひび割れ、雨漏り、シロアリや湿気による構造物の劣化、断熱材が剥がれているまたは断熱材が入っていないなどのケースも見られます。
構造の確認
床下や小屋裏を見る時に、建物がどのような構造になっているかを確認します。柱、梁、基礎の位置を確認するのは間取り変更や耐震工事の補強計画をするにあたりとても重要なポイントです。
建物周辺の確認
リフォームをする上で建物の周辺状況がどうなっているのか把握することも大切です。
建物の配置や近隣の環境・境界、前面道路の状況、ガスや水道の引き込み位置などはプランの作成時に限らず工事を円滑に進めるために必要な情報になります。
敷地スペースや道路状況を見て工事車両が入れるか、搬入作業ができそうか判断したり、周辺の環境を見てプライバシーや採光等に問題がないプランになるよう考慮します。
また建物に付帯するベランダ、デッキ、倉庫、フェンス、浄化槽や、庭の庭石や庭木などで撤去するものがあれば確認します。
撤去する量や設置状況によっては撤去にかかる費用も大きく変わるため必ず現地で確認が必要となります。井戸がある場合も埋め戻し、解体が必要であればその分費用がかかります。
地盤調査
地盤調査とは土地の状態や性質、強度を調べるもので、建物を安全に支えられる土地であるか把握するために行います。
新築や建て替えをする場合は地盤調査が必須となりますが、リフォームで増築をする場合にも、状況に応じて地盤調査が必要になります。
地盤調査をするには別途費用がかかり、調査方法によって費用は変わるため、あらかじめリフォーム会社と調査方法について相談し見積もりをします。
まとめ
リフォームの現地調査は、建物の状態や問題を正確に把握し、適切なリフォーム計画を立てるための重要なステップです。
今回は現地調査の内容について解説しましたが、上記でも述べたようにリフォーム内容によって現地調査で見るポイントはそれぞれにあるので、不安な箇所や改善したいことがあればその場で遠慮なく伝えてもらうと、リフォーム会社もより具体的な調査が出来たりその場で対策を提案することもできます。
ZERO×STYLEでは、お客様のお悩みや要望をお聞きした上で、それぞれのお住まいに合ったリフォーム計画が立てられるよう現地調査をさせていただいております。
部分リフォームから耐震補強や断熱化のリノベーションまで幅広く対応しておりますのでご相談ください。